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埼玉医科大学国際医療センター/病院の概要

 病院長ごあいさつ

 病院の基本理念

1.理事長あいさつ
2.開設の目的と経緯
 @ 目的
 A 国際医療センターの診療スペース構成
 B 国際医療センターのミッション・ビジョン
 C 「国際医療センター」という病院名の意味
 D 基本理念
 E 各センターの構成と特徴
 F 国際医療センターのその他の特徴
 G 国際医療センターの建築工事の進捗状況
 H 欧米医療施設視察報告

1. 理事長あいさつ

理事長 丸木清浩
理事長 丸木清浩

 埼玉医科大学は、4つのキャンパス(毛呂山キャンパス、川角キャンパス、川越キャンパス、日高キャンパス)からなり、その4番目のキャンパスとして日高キャンパスは埼玉県日高市にオープンしました。埼玉医科大学保健医療学部(教育部門)、埼玉医科大学ゲノム医学研究センター(研究部門)、埼玉医科大学国際医療センター(診療部門)から構成されています。
その構想は、「埼玉医科大学 夢21プロジェクト」から萌芽し、ゲノム医学研究センターの2001年6月の開所からスタートし、その後、2006年4月に新設学部の保健医療学部校舎が竣工し教育を開始しました。また、2007年4月の埼玉医科大学国際医療センターの開院で開花する一大プロジェクトです。

 ゲノム医学研究センターは、遺伝子研究を遺伝子の構造と機能の基礎研究から病態生理並びに遺伝子治療、再生医療まで含む基幹研究部門とプロジェクト研究チームとの共同により行います。臨床と直結した共同研究、また企業との共同研究の場として研究施設を提供します。このことにより本学の医学研究を活性化させ水準を挙げ国際化を推し進めることを意図しています。

 保健医療学部は、21世紀の新しい医療を実践する患者さん中心の安心できる医療技術者を養成するために開設しました。看護師・保健師を養成する看護学科、臨床検査技師・食品衛生管理者など多様な資格が取得できる健康医療科学科、臨床工学技士を養成する医用生体工学科の3つの学科で構成されています。

 国際医療センターは、その名に相応しい質的に極めて高いレベルの医療を提供し、「世界と対話し、世界をリードする埼玉医科大学」を目指し、基本的なコンセプトはグローバルスタンダードです。心臓病センター、包括的がんセンター、救命救急センターからなり600床の病床を持ち、高度先進医療を提供します。各センターは機能的にはCenter of Excellence(COE)です。

 これらの3施設は独立した施設ではなく、有機的に連携し日高キャンパスを構成し、また、各キャンパスも同様に連携し埼玉医科大学を構成しています。埼玉医科大学は、各施設、各キャンパスの有機的連携と結合により教育・研究・診療を実践しています。

2. 開設の目的と経緯

@ 目的


埼玉医科大学 専務理事
前国際医療センター開設準備委員長
尾本 良三

 日高キャンパスの埼玉医科大学国際医療センター(以下 国際医療センター)は、第4次埼玉県地域保健医療計画に基づき埼玉県全域を範囲とし、がん・心臓病に対応する高度専門特殊医療や救命救急医療の提供を目的として計画された。
 その経緯は、まず平成14年10月29日に埼玉県より医療整備計画の公募があり、本学は、日高キャンパスに病床数600床とする国際医療センター開設計画を明確に示し、これに応募した。平成15年10月27日に採用が決定された。その後、病院開設許可申請書(基本設計書添付)を提出し、平成16年3月30日付で病院開設が許可され、平成19年4月に開院しました。
 開院の準備は、平成16年8月1日に開設準備委員会が組織されたことに始まる。多くの作業部会で議論を重ね、実施計画を作成する段階に至り、欧米の先進的な医療施設を視察することとなり、「埼玉医科大学国際医療センター計画・欧米医療施設視察団」が組織され、13日間にわたり欧米の8施設を訪問した。この報告書は本章の最後にまとめてあります。

A 診療スペース構成

 国際医療センターの構成は、(1)包括的がんセンター300床、(2)心臓病センター200床、(3)救命救急センター100床で合計600床である。全600床のうち、400床が増床で200床が毛呂山キャンパスの埼玉医科大学病院からの移転である。平成19年1月に竣工、平成19年4月開院した。


国際医療センターの全景

B ミッションとビジョン(使命と展望)

ミッション:

国際医療センターは埼玉県全域を範囲とし、がん、心臓病に対応する高度専門特殊医療に特化し、かつ高度の救命救急医療を提供する。

ビジョン:

平成19年4月の開設後3年以内に、計画されたすべての病院機能を全稼動する。さらにその後5年以内に、わが国における最も卓越した医療センター、Center of Excellence(COE)を目指す。

C 「国際医療センター」 という病院名称の意味

 国際医療センターにはグローバル・スタンダードからみて世界の第一級のメディカルセンターとして高度の医療を提供しようという精神が基本にある。また、文字通り外国からの患者の受け入れや医師、ナースなどのトレーニング、あるいは共同研究のための国際交流を前提とした病院の運営を行う。

D 基本理念

 国際医療センターの基本理念は「安心で安全な満足度の高い医療の提供をし、かつ最も高度の医療水準を維持する」ことである。

 国際医療センターでは徹底的に患者中心主義(Patient-oriented)であり、あらゆる面で“患者にとって便利”であることを主眼としている。

 国際医療センターでは患者ひとり一人にとって最も適切なオーダーメイドとも言うべき医療の提供を目指している。そのために具体的には“内科”とか“外科”というような各診療科の枠を超えて個々の患者をケアする。“内科”や“外科”という垣根は全く存在せず、各診療科のボーダーレスやオーバーラップは当たり前である。必要に応じて複数の診療科による併診が行われ、安心で安全な医療をシステムとして確立する。

 国際医療センターの入院/外来の比率は1対1を目指している。平均在院日数は14日以下を目標としている。“地域医療連携ネットワークにおけるクリニカル・パス”の実現によって、在院日数の短縮を図る。また、外来は埼玉医科大学病院と緊密で相補的な関係を維持する。
 開設の本来の目的である高度専門医療に特化するという使命から、連携施設との緊密なネットワークを構築することは最も重要な基盤整備である。外来は精査や入院依頼の患者に対応するために紹介患者レセプションの機能が重要である。外来のレセプション・デスクはちょうどホテルのコンシェルジュのような雰囲気を持っている。国際医療センターの広いエントランスホールは患者さんに心安らぐ癒しの空間を提供することを意図している。患者さんがしみじみと”この病院でなら自分の病気は本当に治りそうだ”という雰囲気をかもし出すように配慮されている。


エントランスホール

ノースストリート

E 各センターの構成と特徴(詳細は診療部門のご案内をお読み下さい)

1) 包括的がんセンター

 「包括的がんセンター」とはアメリカにおける「Comprehensive Cancer Center」の日本語訳である。もともとはアメリカの国立がんセンター「NCI(National Cancer Institute)」によるがんセンターの分類である。単なる「Cancer Center」とか「Clinical Cancer Center」というものもあるが、その中で特別に「Comprehensive Cancer Center」、つまり「包括的がんセンター」というのは、がん治療のレベルの高いことのほかにレベルの高い基礎的及び、臨床的研究も行っていることや、地域がん登録統計・疫学的研究も行っている施設に対して与えられる名称である。
 国際医療センターは現在すでに厚生労働大臣より「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受けている。

 具体的には包括的がんセンターでは、すべてのがん患者を、腫瘍内科医、腫瘍外科医、放射線腫瘍医、精神腫瘍医、および緩和医療医が共同して治療方針を決定しその治療にあたる(Cancer Board、キャンサー・ボード)を確立している。

 包括的がんセンターには、特徴ある専門診療科として、
脳脊髄腫瘍科、小児脳脊髄腫瘍科、頭頸部腫瘍科、骨・軟部腫瘍科、造血組織腫瘍科(造血幹細胞移植部門を含む)、小児腫瘍科、骨盤腫瘍科(婦人科腫瘍科、泌尿器腫瘍科)、皮膚腫瘍科、腫瘍内科、精神腫瘍科、緩和医療科、小児血液病科、病理診断科、などがある。
また、外来化学療法を専門に行う通院治療センターは40床を有し、主として腫瘍内科が運営する。
 可能ならば「入院治療から外来治療へ」という方針から通院治療センターを最も有効に利用。

附記(1):

成人、小児の骨髄移植等を前提としてクラス100の6床を含み無菌治療室36床を設置。

附記(2):

新設の精神腫瘍科は緩和療法において重要な役割を果たすのみならず、包括的がんセンターの外来や急性期治療の多くの現場で診療チームの構成メンバーとなって深く関与する。

 


せせらぎ(国際医療センター構内の憩いのパーク)



国際医療センター全景

2) 心臓病センター

 心臓病センターでは、急性心筋梗塞、急性大動脈解離、重症の先天性心疾患等、直ちに外科手術治療やカテーテル・インターベンションを必要とする心臓病重症例に対して常時複数症例に対応する体制が確保される。

 心臓病センターには特徴ある専門診療科として、
心臓内科(心血管インターベンション部門、不整脈治療部門、心血管イメージング部門等)、心臓血管外科(小児心臓外科、その他)、小児心臓科(小児心血管インターベンション部門、新生児ICU)などがある。

 難治性心不全治療センターでは最大限の内科的治療によってもなお治療に抵抗する難治性心不全に対して、専門的な特殊医療を実施する。難治性心不全治療部センターにおいては、心臓内科と心臓血管外科の両科が一体となってその治療に参画する。難治性心不全治療のために、いつでも補助人工心臓治療が実施可能である。平成16年7月5日に埼玉医科大学病院では、埼玉県初の心臓移植を実施し(本邦で21例目)、平成18年6月29日に2例目(本邦で36例目)の心臓移植を実施した。心臓移植に関しては、心臓内科、心臓血管外科、麻酔科、看護部、MEサービス部、病理診断科、薬剤部等が一体となって常時心臓移植実施可能の準備状態にある。心臓移植レシピエント・コーディネーター、心臓移植対策室、心臓移植準備室等が設置されている。補助人工心臓治療用あるいは心臓移植患者の特別の病室を19室設置。


3) 救命救急センター

 国際医療センターの救命救急センターでは第4次埼玉県地域保険医療計画の基本的な要請に対応すべく第3次救命救急センターを設置している。
 国際医療センター・救命救急センターの特色として精神科医が救急医療チームに参加する体制を埼玉医科大学病院・神経精神科センターの協力体制のもとで確保する。
 急性心筋梗塞発作への対応は、救命救急センターから心臓病センターへ直結して心臓病センターで迅速に治療が開始される。心筋梗塞の急性発作時、心筋をサルベージのゴールデンタイム以内に血流再環流させるためのあらゆる手段がとられる。
 大動脈バルーンパンピング(IABP)治療中の患者であっても国際医療センター・救命救急センターの高規格ドクターが常時受け入れ体制にある。IABPのために2時間以上のバッテリー電力の供給が可能であり、またコンバーター装備のため長時間のIABP使用下の移動が安全に行われる。
 一方、平成13年に埼玉医科大学総合医療センターではすでに高度救命救急センターの指定を受けて最大限に活動中である。総合医療センター・高度救命救急センターと国際医療センター・救命救急センターとは合理的かつ相補的に連携する。

 当センターに含まれる発症直後の脳血管疾患に対して適応によって脳血管内手術や開頭手術等を直ちに同時複数例で実施するシステムを救命救急センター内に完備する。

 新生児期や若年小児期で重症化する先天性心疾患、あるいは小児外科領域の重症例など主として3次の小児救急患者に対しては小児救急センターが対応をする。出生前診断の進歩によって母体搬送による新生児の手術やインターベンションを積極的に行う。その目的のためにB棟2階に小児病棟34床(母子室2室を含む)を設置する。小児救急全体については、埼玉医科大学病院・救急センター(救急部)と緊密な連携をとる。

ヘリ搬送患者の受入れ
 中央棟の屋上にヘリポート(臨時離着陸場)が設置されており、ヘリコプター搬送患者は専用エレベータで直接4F手術室へあるいは救命救急センターに直行し、緊急的な対応が行われる。
 埼玉県内には、地域によっては高度な医療を受けづらい地域が存在するのでヘリコプターの有効利用は是非必要である。すでに医師・看護師が同乗し、救急現場へ向かうドクターヘリの運用を実施している総合医療センターと連携し、ドクターヘリ搬送患者の受入れを行っている。平成21年7月より埼玉県防災ヘリによる早朝夜間ドクターヘリ的運行を行っており、全国初の24時間ヘリ搬送患者の受入れを行っている。


 ドクターヘリ                             埼玉県防災ヘリ

F 国際医療センターのその他の特徴

1) サブセンター・臓器移植センター(腎、肝、膵の移植)

 国際医療センターの臓器移植センターでは、すでに実施している腎臓移植のほかに、生体肝臓移植の実施を計画している。平成17年11月までに腎移植を130例(生体腎95例、死体腎35例)を実施し、埼玉医科大学病院における心臓病センター内の臓器移植センターで85例をフォローアップ中である。将来、脳死肝移植及び膵移植の臨床実施を計画中である。現在、日本臓器移植ネットワーク指定「臓器移植検査センター」を国際医療センター・臓器移植センターに一元化している。


2) 国際交流


中央部はテレサホール(レストラン、カフェテリア等)

 国際医療センターは、文字通り国際交流を前提とした病院運営方針をもつ。診療・教育・研究において広く世界的な規模で双方向性の交流を目指す。具体的には、外国特にアジアからの患者の受け入れ体制を確立する。

 外国からの医師・ナース・技術員のトレーニングなどを積極的に実施する。外国人留学生には埼玉医科大学・外国人フェローシップを利用する機会もある。
 すでに本学では、正式な提携契約により交換留学生プログラム(Student Exchange Program)を欧米の8施設、アジアの1施設と結び過去10年間の実績がある。一方、埼玉県は中国山西省とは姉妹県となっており、埼玉医科大学と山西省人民病院との提携関係の歴史は古く、今後更にこれを推進する。これらの渉外活動においては埼玉医科大学・国際交流センターと緊密に連動させる。
 外国人医師修練制度(厚労省許可制)や本学規則による専攻生、協力教育員、特別研究学生、リサーチフェロー(リサーチアスタント、ポストドクター)、ティーチング・アシスタント、研究支援者などの身分の利用を外国人へ拡大する。


手術室とインターベンション室の相互転用方式

 国際医療センターでは、外科的な治療法の急速な進歩や変化を想定しており、従来の“手術室”の概念を大きく変化させた。埼玉医科大学・欧米医療施設視察団の報告にあるように、“手術室”と“インターベンション室”とが自由に転用可能(コンバーチブル・OR)とすることを意図して国際医療センターは設計された。近い将来すら予測出来ないような変化に対応するためにどのようにでも転用可能な“Big Box”という設計思想を付加した。手術の低襲化が更に進み、インターベンションと標準手術を複合したようなハイブリッド型の治療方式(ハイブリッド・サージェリー)が近い将来普通に行われることが予想される。患者を移動させることなく、同じ手術室内でX線心臓血管造影やCTイメジングを行い、その情報によって患者の移動なしに直ちに手術に移行することが可能である。それに対応するために合計19室という多数の手術室(インターベンション室としても利用される)の設置を計画した。特に脳神経外科などで使用される予定のあらゆる手術内容に対応しうる統合型手術室を設置した。


統合型手術室


臨床研究、トランスレーショナル・リサーチ

 ゲノム医学研究センターとの共同プロジェクトを積極的に遂行する。製薬企業や医療機器企業が主導的に行う臨床治験を従来より更に一層積極的に実施する計画である。一方、医師主導の探索型医療(トランスレーショナル・リサーチ)は、基礎研究の成果を医療現場に移行させて、新しい医療に発展させる臨床研究のことであるが、積極的にこれを推進する。優れた研究プロジェクトを計画することによって積極的に公的研究費あるいは企業からの委託研究費等を導入することに努力する。企業から研究費を受け共同プロジェクトをもって産学共同研究を強力に推進する。企業などより研究員の受け入れる方法を用意する。

G 国際医療センターの竣工と開院

 埼玉医科大学国際医療センターの建築工事はスケジュール通り順調に進行し、平成19年1月末に竣工した。その後、医療機器等の設置や備品等の搬入を行い、平成19年4月に開院した。


平成18年10月28日航空写真

航空写真(平成19年1月)

航空写真(平成18年12月)
航空写真(平成18年10月)
航空写真(平成18年9月)
航空写真(平成18年8月)
航空写真(平成18年7月)
航空写真(平成18年6月)
航空写真(平成18年5月)
航空写真(平成18年4月)
航空写真(平成18年3月)
航空写真(平成18年2月)
航空写真(平成18年1月)

航空写真(平成17年12月)
航空写真(平成17年11月)
航空写真(平成17年10月)
航空写真(平成17年9月)
航空写真(平成17年8月)
航空写真(平成17年7月)
航空写真(平成17年5月)
航空写真(平成17年4月)
航空写真(平成17年3月)
地鎮祭(平成17年2月9日)

H 欧米医療施設視察報告
   欧米医療施設視察報告
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