埼玉医科大学

微生物学教室

〒350-0495

埼玉県入間郡毛呂山町毛呂本郷38

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研究1  宿主–微生物相互作用に関する研究

感染巣、すなわち多様な宿主細胞と感染微生物の相互作用で形作られる特殊な微小環境は、組織障害や宿主免疫回避など複雑な病態形成の「場」である。

この微小環境の性質は、腫瘍の発生・進展とも深く関連することから、「感染 – 炎症(免疫)– がん」における微小環境の特性を理解し、疾患の予防や治療に結びつけることを目指している。

 

図左 :微小環境因子が細胞周期に及ぼす影響の検討 (Fucci Probe 遺伝子導入による)

図中右:感染ウイルス量の多寡による宿主免疫応答性の違い
中程度量のウイルス感染(図中)と比較して、多量のウイルス感染(図右)ではIFN-gammaを産生する抗原特異的リンパ球(Q2の分画)の割合が低下する。
すなわち暴露ウイルス量が多量の場合、感染ウイルスを特異的に排除するはずの宿主リンパ球は機能不全に陥り、感染ウイルスに対する免疫学的排除が抑制される (Horiuchi et al., 2014)。

 

研究2  臨床微生物学的研究

さまざまな病原体に対する新しい網羅的同定法の開発、薬剤耐性菌の疫学や感受性変化の仕組みの解明に関心を寄せ、多様な感染症に対して柔軟に対応できるよう現代生物科学的アプローチで問題の解決を図るとともに、国内外の研究施設と協力しながら新たな研究シーズの発掘を目指している。

研究3  新規抗原提示分子に関する研究とワクチンプラットフォームの開発

細胞傷害性T細胞を使ったがんや感染症に対するワクチンの開発研究を行っている。具体的には、さまざまなナノ粒子の用いて、効率の良いワクチンプラットフォームの開発に取り組んでいる。

また、細胞傷害性T細胞の活性化に必要なMHCクラスI分子による抗原提示機構の詳細な解析を、特に抗原提示を決定づける分子シャペロンに注目して行っている。