新生児科
新生児科
Department of Pediatrics, Division of Neonatology
あかちゃんとそのご家族の力になれるよう
気持ちに寄り添う医療を提供
気持ちに寄り添う医療を提供
診療部長ご挨拶
新生児科は、埼玉県の地域周産期センターとして、県内2か所の総合周産期センターと連携をとりながら、病的な新生児・早産児の診療を行っています。病的な新生児とは、呼吸障害・新生児仮死・感染症・染色体異常などの先天奇形症候群・重症黄疸・先天性心疾患・先天性の内分泌疾患・新生児痙攣・外科疾患などを伴い、生後すぐに集中治療(NICU)管理が必要な児のことです。新生児仮死の児に対しては、脳保護のために必要な場合は体温を33℃から34℃に下げる全身低体温療法を行っています。また、先天性心疾患に対しては、本学国際医療センターの小児循環器グループと緊密に連携をとりながら治療を行い、必要であれば新生児搬送しています。
早産児は在胎週数37週未満で出生した児のことです。治療技術として、HFO(高頻度人工換気)などの人工換気の進歩、また肺血管拡張のためのNO(一酸化窒素)吸入療法、超音波機器の解像度の向上などにより、出生体重1000g未満の生存率は飛躍的に向上しております。2022年の新生児科の年間入院数は190名、うち超低出生体重児(出生体重1000g未満)11名、また18の医療機関より院外出生41名を受け入れました。当院も限られたスタッフですが、様々な職種と密に連携をとりながら対応しております。当院には常勤臨床心理士がおりご両親の不安や悩みにも寄り添った医療を心がけております。
早産児は在胎週数37週未満で出生した児のことです。治療技術として、HFO(高頻度人工換気)などの人工換気の進歩、また肺血管拡張のためのNO(一酸化窒素)吸入療法、超音波機器の解像度の向上などにより、出生体重1000g未満の生存率は飛躍的に向上しております。2022年の新生児科の年間入院数は190名、うち超低出生体重児(出生体重1000g未満)11名、また18の医療機関より院外出生41名を受け入れました。当院も限られたスタッフですが、様々な職種と密に連携をとりながら対応しております。当院には常勤臨床心理士がおりご両親の不安や悩みにも寄り添った医療を心がけております。
國方 徹也 KUNIKATA, Tetsuya
診療内容・専門分野
新生児科では、出生して間もない病的新生児・早産児の診療を行っています。
病的新生児とは、呼吸障害・感染症・新生児仮死・染色体異常などの先天奇形症候群・新生児重症黄疸・先天性心疾患・新生児痙攣・外科疾患などを伴い、生後すぐに集中(ICU)管理が必要な児をさします。在胎35週以下で出生した新生児は、体温管理、免疫能など未熟な点が多くあり、当院では閉鎖型の新生児用の保育器で管理を開始します。
ミルクが経口ですぐには飲めない早産児については口や鼻から胃チューブを挿入し、母乳やミルクを注入し成長を促していきます。
必要量のミルクが充分に飲めない早産児においては、点滴を挿入し、ブドウ糖・アミノ酸・脂肪製剤など必要な栄養を静注できる静脈路を確保します。
新生児の呼吸状態に合わせて、気管挿管しての人工呼吸管理、経鼻的なデバイス(NasalDPAP、NHFC)を用いた換気療法も行うことができる「生まれたての新生児の為の集中治療室(ICU)」です。
日常診療には複数の新生児専門医を中心に小児科専門医、専攻医が従事し、24時間体制で新生児を受入れております。
当院NICUはNICU18床、GCU12床の計30床で構成されています。
埼玉県周産期母子医療センターの施設の一つであり、県下で最も広大な川越比企医療圏・秩父医療圏を担当している地域周産期センターです。
在胎週数25週以上、500g以上で出生された新生児を対象に当院で受入を行っております。
各論的には以下のような医療を展開しております。
重症新生児仮死に対しては、脳保護のために必要な場合は低体温療法を行っています。
また、先天性心疾患に対しては本学国際医療センターの小児循環器グループと綿密に連携を取りながら治療を行い、必要であれば新生児搬送しています。
新生児痙攣などの神経疾患は当院小児神経グループと、小児外科疾患は小児外科と、重症腎不全など透析が必要な場合は小児腎臓グループと連携し、24時間体制で対応しております。
早産児は在胎週数37週未満で出生した児をさします。
治療技術としてHFO(高頻度人工換気)、VTV(volume-targeted ventilation)などの人工呼吸器の進歩、また肺血管拡張のためのNO(一酸化窒素)吸入療法の実用化、新生児蘇生法のガイドラインに沿った新生児蘇生・治療の確立、超音波機器の解像度の向上などを備えます。
これらの技術革新もあり、出生体重1,000g未満の超低出生体重児の生存率は近年飛躍的に向上しております。
2022年の新生児科の年間入院患者数は190人、うち早産児が121人、低出生体重児(出生体重2500g未満)132人、極低出生体重児(出生体重1,500g未満)は28人、超低出生体重児(出生体重1000g未満)は11人また院内出生149人、院外出生(他院からの搬送)41人でした。(重複あり)
また、新型コロナウイルス陽性妊婦の周産期管理、分娩、出生児の対応も可能な施設となっています。
埼玉県の新生児医療はまだまだ病床数が充分でなく、厳しい状況にあります。
当院も限られたスタッフですがNICU/GCU看護師・産婦人科医師・小児科医師・小児外科医師らと協力・連携し取り組んでおります。
臨床心理士の常勤が勤務しており、退院前~中~後の母親の相談・支援、出生児のNICU退院後の発達検査などを担当し、出産後の母子に寄り添った医療を心がけております。
病的新生児とは、呼吸障害・感染症・新生児仮死・染色体異常などの先天奇形症候群・新生児重症黄疸・先天性心疾患・新生児痙攣・外科疾患などを伴い、生後すぐに集中(ICU)管理が必要な児をさします。在胎35週以下で出生した新生児は、体温管理、免疫能など未熟な点が多くあり、当院では閉鎖型の新生児用の保育器で管理を開始します。
ミルクが経口ですぐには飲めない早産児については口や鼻から胃チューブを挿入し、母乳やミルクを注入し成長を促していきます。
必要量のミルクが充分に飲めない早産児においては、点滴を挿入し、ブドウ糖・アミノ酸・脂肪製剤など必要な栄養を静注できる静脈路を確保します。
新生児の呼吸状態に合わせて、気管挿管しての人工呼吸管理、経鼻的なデバイス(NasalDPAP、NHFC)を用いた換気療法も行うことができる「生まれたての新生児の為の集中治療室(ICU)」です。
日常診療には複数の新生児専門医を中心に小児科専門医、専攻医が従事し、24時間体制で新生児を受入れております。
当院NICUはNICU18床、GCU12床の計30床で構成されています。
埼玉県周産期母子医療センターの施設の一つであり、県下で最も広大な川越比企医療圏・秩父医療圏を担当している地域周産期センターです。
在胎週数25週以上、500g以上で出生された新生児を対象に当院で受入を行っております。
各論的には以下のような医療を展開しております。
重症新生児仮死に対しては、脳保護のために必要な場合は低体温療法を行っています。
また、先天性心疾患に対しては本学国際医療センターの小児循環器グループと綿密に連携を取りながら治療を行い、必要であれば新生児搬送しています。
新生児痙攣などの神経疾患は当院小児神経グループと、小児外科疾患は小児外科と、重症腎不全など透析が必要な場合は小児腎臓グループと連携し、24時間体制で対応しております。
早産児は在胎週数37週未満で出生した児をさします。
治療技術としてHFO(高頻度人工換気)、VTV(volume-targeted ventilation)などの人工呼吸器の進歩、また肺血管拡張のためのNO(一酸化窒素)吸入療法の実用化、新生児蘇生法のガイドラインに沿った新生児蘇生・治療の確立、超音波機器の解像度の向上などを備えます。
これらの技術革新もあり、出生体重1,000g未満の超低出生体重児の生存率は近年飛躍的に向上しております。
2022年の新生児科の年間入院患者数は190人、うち早産児が121人、低出生体重児(出生体重2500g未満)132人、極低出生体重児(出生体重1,500g未満)は28人、超低出生体重児(出生体重1000g未満)は11人また院内出生149人、院外出生(他院からの搬送)41人でした。(重複あり)
また、新型コロナウイルス陽性妊婦の周産期管理、分娩、出生児の対応も可能な施設となっています。
埼玉県の新生児医療はまだまだ病床数が充分でなく、厳しい状況にあります。
当院も限られたスタッフですがNICU/GCU看護師・産婦人科医師・小児科医師・小児外科医師らと協力・連携し取り組んでおります。
臨床心理士の常勤が勤務しており、退院前~中~後の母親の相談・支援、出生児のNICU退院後の発達検査などを担当し、出産後の母子に寄り添った医療を心がけております。
主な医療技術
- 新生児蘇生法(NCPR)に則った新生児蘇生(新生児蘇生講習会も随時開催しています)
- 重症新生児仮死に対する低体温療法(対象患者は数時間内に搬送してください)
- PPHNに対する一酸化窒素吸入療法(iNO)
- 新生児呼吸窮迫症候群(RDS)に対する人工サーファクタント気管内投与
- アンバウンドビリルビン(UB)も考慮した新生児黄疸管理
- 自発呼吸に合わせた人工呼吸管理(VTV;Volume Targeted Ventiration )
- 先天性横隔膜ヘルニアに対する集中管理
- 重症腎不全新生児に対する持続腹膜透析及び在宅支援
- 本学国際医療センター小児心臓グループと連携し先天性心疾患の周産期管理
- 国際医療センター小児心臓外科と連携して当院で動脈管開存症に対する外科的治療
- 当院小児外科と連携して新生児外科疾患(消化管閉鎖、横隔膜ヘルニア、腹壁破裂、臍帯ヘルニア)の実施支援、術前術後管理
- 先天奇形症候群に対する染色体検査をはじめとする遺伝情報の解析
- 早産児及びハイリスク新生児の発達成長フォローアップ及び乳幼児発達検査(新版K式、WISC-IV)の実施
専門外来・特殊外来
NICU/GCUを退院した後のこどもの成長発達は一定ではありません。早産で生まれた児においては早く生まれたぶんだけ発達が一時的に遅れることは正常でも起こりうることです。
NICUを退院したこどもたちのその後の状態は、退院した時までではわからないことが多くあります。従って、一定期間新生児科の専門外来に通院していただき、成長と発達を一緒に見守りながら、フォローアップするようにしています。特に早産で生まれたこどもたちについては発達の進み具合をみながら、就学前に乳幼児発達検査を複数回実施して、発達について客観的に評価する取り組みなども行います。また、発達の遅れが明らかな場合は、乳幼児のためのリハビリテーションや療育への橋渡しも行っております。
NICUを退院したこどもたちのその後の状態は、退院した時までではわからないことが多くあります。従って、一定期間新生児科の専門外来に通院していただき、成長と発達を一緒に見守りながら、フォローアップするようにしています。特に早産で生まれたこどもたちについては発達の進み具合をみながら、就学前に乳幼児発達検査を複数回実施して、発達について客観的に評価する取り組みなども行います。また、発達の遅れが明らかな場合は、乳幼児のためのリハビリテーションや療育への橋渡しも行っております。