手術室関連業務

概要
手術室には麻酔器や高周波手術装置など手術室特有の機器が多数存在しており、臨床工学技士が保守管理を行っています。
機器管理台数
合計:458台(2023年5月時点)
麻酔器 | 13台 | 光源装置 | 13台 |
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手術台 | 16台 | 高周波手術装置 | 31台 |
間欠的空気圧迫装置 | 12台 | 体外式ペースメーカー | 3台 |
各種診療科特有の機器 | 42台 | 輸注ポンプ | 37台 |
吸引器 | 1台 | 内視鏡・腹腔鏡・関節鏡 | 23台 |
生体情報モニタ | 43台 | 内視鏡(スコープ・カメラヘッド)関連 | 114台 |
顕微鏡・顕微鏡用モニタ | 11台 | パルスオキシメーター | 2台 |
加温装置 | 23台 | 除細動器 | 2台 |
その他の機器 | 72台 |
保守点検
終業点検
麻酔器の終業点検を一日の終わりに実施しています。
外装点検、リークチェック、換気量測定、酸素センサー校正などを行っています。
定期点検
手術室で稼働している装置について、年1回(または2回)の頻度で実施しています。
外装点検、精度試験、消耗品交換など機種に合わせ様々な内容で行います。
診療補助業務
自己血回収装置の操作や脊髄誘発電位の測定などを行っています。
また、血圧トランスデューサの作成、心拍出量測定装置のセットアップなども行っています。
自己血回収装置の操作
自己血回収装置は、手術中に血液の回収、濃縮赤血球の洗浄及び再注入時の監視等を行うシステムです。
各種開心術、胸部・腹部大動脈瘤手術、肝臓手術等の大出血を伴うと考えられる手術において、出血した血液を有効に利用することができます。
このように本システムを使用して自己血を回収し、再生させることにより他家血の輸血量を減少させ、その結果として輸血に伴う合併症の可能性を著しく軽減させることが可能です。
脊髄誘発電位測定
運動誘発電位(Motor Evoked Potentials:MEP)は、傷害が予想される部位より上部で刺激し、下部で電位を記録することにより、 その間の電動を誘発電位として記録するものです。
手術中にその部位での電動状態を定期的に監視することにより、運動路への手術による影響を客観的に評価することが可能となります。
ナビゲーション装置操作
ナビゲーション装置は、体の深部で手術操作を行う場合や、インプラントを挿入する際に使用する装置です。使用器具とモニター上の映像が連動して動くため、挿入角度や深度を確認しながら手術操作を行うことができます。
当院では、脊椎外科手術(脊椎固定)の際に臨床工学技士がナビゲーション装置の準備、術中の操作等を対応しています。
植込み型心臓デバイス立ち会い業務
ペースメーカーなどの植え込み型心臓デバイスが植え込まれている患者が、手術や胸部CT検査を受ける際、臨床工学技士が立ち会いを行っています。
プログラマーと呼ばれる専用の装置を保有しており、植え込まれているデバイスのメーカーや機種に合わせて選択し、対応しています。
・手術時立会い
患者入室時に植込み型心臓デバイス本体の情報を読み込み、作動状況を確認しています。その後、術中影響が出ないよう設定を変更し、術中には経過観察、術後に設定を元に戻し、術前と変化がないことを確認しています。
・CT撮影時立会い
患者入室時に植込み型心臓デバイス本体の情報を読み込み、作動状況を確認しています。必要に応じて設定変更し、CT撮影中はパルスオキシメータなどの生体情報モニタにて監視します。異常があった場合は再プログラムを行っています。
心臓カテーテル検査業務
先端にバルーンのついた特殊なカテーテルを鼠径部または頸部より挿入し、右心房から右心室を経て肺動脈まで挿入します。肺動脈楔入圧、肺動脈圧、右心室圧、右心房圧が測定でき、心拍出量を測定することもできます。右心カテーテル検査で測定される心電図、各圧力の記録はポリグラフと呼ばれる機器で行います。臨床工学技士はこのポリグラフの一覧の操作を行っています。
補助循環業務
重症呼吸不全や循環不全に対して、呼吸・循環をサポートするECMO(Extra Corporeal Membrane Oxygenation)装置を4台保有しており、臨床工学技士は操作や管理を行っています。
安全巡回
「機器の安全使用と使用状況の確認」、「電源容量・無停電電源装置が適正に使用されているかの確認」、「各医療ガス配管接続の確認」、「無影灯の確認」、「不具合対応」などを目的とした手術室巡回を行っています。