消化器内科・肝臓内科

研修可能なサブスペシャリティー領域

以下の各機構・学会の専門医・認定医の取得が可能
日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本肝臓学会

診療部長等からのメッセージ

消化器内科・肝臓内科が診療する疾患は、胆膵、肝臓、消化管などの消化器全般にわたり、多数の患者さんが対象となります。
消化器疾患の診療は、まず自らの「眼」で病気を診断することから始まります。上・下部消化管内視鏡検査や超音波内視鏡(EUS)、腹部超音波検査などの検査を行って、病変を早期に発見し、治療へとつなげます。さらに、病歴の聴取、血液検査結果の分析、CTやMRIなどの画像検査の読影といった総合的な診断スキルも求められます。
病気を診断した後は、自らの「手」で治療を行うことができます。急性胆管炎や閉塞性黄疸に対する内視鏡的胆道ドレナージ、胆管結石に対する内視鏡的治療、肝細胞癌に対する肝動脈塞栓術やラジオ波焼灼療法、胃食道静脈瘤に対する内視鏡的治療や血管内カテーテル治療、さらに消化管出血に対する内視鏡的止血術など、様々なインターベンションによって患者さんの病態を直接改善することが可能です。また病態を深く理解したうえで、個々の患者さんに最適な薬物治療を選択することも重要な役割です。
このように消化器内科・肝臓内科の診療では、自身の診断・治療のスキルが患者さんの健康に直結します。自分の「眼」と「手」で病気を見極め、治療する過程で、強い責任感と大きな達成感を味わうことができます。大学病院で高度な専門性を極める道もあれば、確かな診断力を身につけて地域医療に貢献する道もあります。

資格面では、内科専門医の研修と連動して、日本消化器病学会の専門医カリキュラムを開始できます。内科専門医のカリキュラム終了後は、補完研修として日本肝臓学会および日本消化器内視鏡学会の専門医カリキュラムも開始することができます。卒後8年を目途に、消化器系3学会の専門医を目指します。また、当科では研究活動や学会発表にも力を入れており、基礎研究に関心のある方には研究の機会も提供しています。

教育体制としては、先輩が後輩を指導する手厚い指導環境が整っています。EUSやERCPといった胆膵内視鏡では、タブレット端末を用いた習熟度の可視化を指導に取り入れ、効率的なスキル習得を支援しています。
皆さんも、消化器内科・肝臓内科で「自らの眼と手で診る医療」の魅力に触れてみませんか。見学はいつでも歓迎しています。消化器病診療に興味のある方を心よりお待ちしています。
水野先生消化器内科・肝臓内科診療部長 教授 水野 卓

診療科(旧医局長)メッセージ

消化器内科・肝臓内科では、消化管、肝臓、胆道、膵臓などの消化器系全般の疾患を幅広く担当しています。急性期の緊急対応から慢性期の管理、そして緩和医療まで、さまざまな場面での診療に携わることができ、数多くの症例を経験することで、自然と「何でもこなせるオールラウンダーな消化器内科医」へ成長できます。

さらに、上下部の内視鏡観察や腹部エコー検査はもちろん、消化管出血の緊急止血や、胆膵疾患に対する最先端の検査・治療、エコーを使ったラジオ波焼灼術・腹腔内穿刺ドレナージ・肝生検などのインターベンション、肝細胞癌や門脈圧亢進症に対するIVR(血管内治療)など、多くの手技に取り組む機会が豊富です。どの手技も頼れる指導医のもとで、多様な症例を通じてしっかりと着実にスキルを習得することができます。

診療だけでなく、研究を行う環境も整っています。消化器内科・肝臓内科専用の実験室があり、日常の臨床と並行して研究に取り組めます。大学院では、普段の診療に直結したテーマで研究ができ、基礎実験のサポート体制も充実しています。

私自身、入職したての頃に、先輩に「手技を覚えるのはもちろんだけど、診療内容を研究成果として形にする習慣を身に着けると、さらに世界が広がるよ。考える消化器内科医こそが一流だ」と教わり、大学院に進学しました。そこで肝炎ウイルスの研究を行い、C型肝炎ウイルスの薬剤耐性変異の検出キットを開発し、特許(特願2013-255748)まで取得することができました。これらの研究成果は、大学院修了後も日常臨床に役立てられ、国内外の学会や論文発表にもつながっています。

私たちは、しっかりとした指導体制のもとで、最新の技術と豊富な経験を積みながら、消化器内科医としてのスキルを着実に高めていける環境があります。一緒に成長し、スキルを磨いていきましょう!

講師、病棟医長 内田 義人
消化器内科・肝臓内科01
消化器内科・肝臓内科02

研修プログラム

研修プログラムの詳細は領域別専門医研修プログラムのページをご覧ください。

概要・特徴

専門領域は、消化管、肝、胆道および膵疾患である。2021年度の入院患者数は1,537例であり、多彩な消化器疾患症例の診療に携わることが出来る。また、常時、救急来院患者に対応する体制をとっており、消化器疾患症例に合併した他臓器疾患の診療にも応じているため、プライマリケアの十分な経験が可能である。後期研修では消化器疾患症例の診察方法および当該疾患に必要な検査治療の手技を、指導医と受持医の指導のもとに修得するが、研修期間が8週以上の場合には担当患者を一人で受け持ち、指導医がサポートすることで責任を持って診療に参加する機会も設けている。また、重症例の全身管理や専門的な検査治療にもチームの一員として積極的に参加できるように配慮している。

埼玉医科大学病院は、2007年埼玉県の肝疾患診療連携拠点病院に指定され、県全体から難治性の急性、慢性肝疾患症例が集まってきている。このため、劇症肝炎や非代償性肝硬変など全身管理が必要な重症疾患の集学的治療を研修することが出来る。また、肝癌に関してエコーおよび血管造影を利用したラジオ波焼灼療法、肝動脈塞栓又は注入療法を実施しており、これら手技の実習も可能である。消化管疾患では消化管出血、炎症性腸疾患、上下部消化管ポリープ等の症例が豊富で、これらに対する内視鏡治療も経験することが出来る。重症型アルコール性肝障害患者に顆粒球除去を、治療に難渋する炎症性腸疾患患者に顆粒球除去と免疫療法や生物製剤を併用した最新の治療を実施し、良好な治療成績を挙げている。また、胃静脈瘤の治療に血管造影を利用したBRTOを積極的に行い、内視鏡治療と合わせ出血予防に寄与している。これら様々な治療を経験することが出来るのも症例の多い当科の特色である。一方、胆道および膵臓疾患では、急性閉塞性化膿性胆管炎や急性膵炎など重症疾患の全身管理を習得出来るとともに、胆道ドレナージや結石除去のためのERCPに参加することが可能である。また、胆膵疾患の診断には欠かせない超音波内視鏡検査(EUS)も多数施行しており、膵癌などの診断のためのEUS-FNAやEUSを用いた胆道ドレナージなどのインターベンショナルEUSも経験することができる。2016年に内視鏡センターが一新され、早期消化管癌の内視鏡治療には消化管内科と協力して積極的に取り組んでいる。肝癌の外科的治療および消化管、胆道、膵臓の腫瘍疾患の外科的治療と化学療法は、国際医療センターとも連携している。後期研修では希望者にはこれら治療への参加の機会を設けることも可能である。

研修内容と目標

専門研修 卒後年数 研修内容と目標 資格等
1年目 卒後3年目 内科専門医カリキュラム開始 JMECC
2年目 卒後4年目

3年目 卒後5年目 地域研修、内科専門医カリキュラム終了、消化器病専門医カリキュラム開始
4年目 卒後6年目 内視鏡専門医カリキュラム開始、肝臓専門医カリキュラム開始 内科専門医
5年目 卒後7年目 消化器病専門医カリキュラム終了
6年目 卒後8年目 内視鏡専門医カリキュラム終了、肝臓専門医カリキュラム終了 消化器病専門医
7年目以降 卒後9年目以降
内視鏡専門医、肝臓専門医

診療科入職案内

募集要項

次の9内科共通です。
血液内科、呼吸器内科、リウマチ膠原病科、消化器内科・肝臓内科、内分泌内科・糖尿病内科、神経内科・脳卒中内科、腎臓内科、総合診療内科、感染症科・感染制御科

診療科説明会

特に診療科説明会は設けておりません。見学にお越しいただき、当科のことを説明させていただきます。
消化器内科・肝臓内科03
消化器内科・肝臓内科04
消化器内科・肝臓内科05

基本情報

医師数 18名
指導医数 10名
病床数 42床
1日平均外来患者数 115名
1日平均入院患者数 40名
過去3年間の入職実績 2名

お問い合わせ

消化器内科・肝臓内科
担当:今井幸紀
TEL:049-276-1198

専攻医インタビュー

達成感を感じられることが
専攻医の醍醐味や
やりがいだと思います
S先生
2024年入職
(2022年埼玉医科大学卒)
消化器内科・肝臓内科_S先生01
醍醐味や目指す医師像
専攻医の醍醐味、やりがいは実際に自身で治療計画を考え実行すること、その治療行為によって感謝の声を頂ける瞬間だと思います。初めて病棟で治療方針を考え、実際に患者に医療行為を行い、治療後の経過を観察している時は、言葉1つにも責任が伴い、緊張の連続でした。無事に退院出来るとなった時に患者や家族から感謝の言葉を頂き、初期研修医の時とはまた異なる達成感を感じました。このような達成感を感じられることが専攻医の醍醐味ややりがいだと思います。今後も患者に適切な治療行為が出来る様、精進し続けると共に、患者の話を傾聴する事を忘れず、またこの先生に診て欲しいと感じて頂けるような医師を目指していきたいと考えています。
消化器内科・肝臓内科を選んだ理由
初期研修医として多くの科を研修させて頂き、自分は手技が好きで、手技の多い科に行きたいと感じました。しかし内科として病棟業務を行うことにも興味があり、手技のある内科、その中で特に診療科の雰囲気が好きだったこと、また内視鏡が手技として楽しかったことから当院の消化器・肝臓内科を希望しました。
入職して良かったこと
まず、科内の雰囲気が良いことです。困っている時はいつも手助けして頂いています。初めの頃は分からないことも多く、たくさんの事を教えていただきました。今でも何か分からない時は、手助けをして貰っています。また症例数も多く、緊急止血、TACE、ERCPなど消化器内科として必要な検査の経験を十分に積むことが出来ており、入職して良かったと感じています。
消化器内科・肝臓内科_S先生02
初期臨床研修医や医師の方へのメッセージ
初期研修医の方には、年代の近い先輩として気軽に話しかけて貰い、分からないことを一緒に考えていけたら嬉しいです。
また医師の方には今後消化器内科として相談を受けた時お応えできるよう、精進していこうと考えています。また他科の内容でご相談することもあるかと思います。その時はご指導ご鞭撻の程よろしくお願い致します。
プログラムスケジュール
年次 研修先の病院名、診療科、特に注力する研修等 論文、院外活動、他
医師3年目 埼玉医科大学病院 消化器・肝臓内科 日本内科学会、日本消化器病学会、日本内視鏡学会加入、日本内視鏡学会参加、日本肝臓学会加入
医師4年目 埼玉医科大学病院 消化器・肝臓内科  
医師5年目 埼玉医科大学病院 消化器・肝臓内科  
1日のスケジュール
8:50 出勤、病棟の患者の予定確認  
9:00 検査、病棟業務 上部内視鏡やソナゾイド造影超音波、カテーテル治療、EUS、病棟業務を行います。
12:30-13:30 昼食、休憩  
13:30 病棟業務、検査 定期入院の対応や下部内視鏡検査、ERCP等を行います
15:00 回診 教授含め科員全体で病棟患者の確認をします。(月曜日)
16:00 カンファレンス 教授含め科員全体で病棟患者の確認をします。(月、水曜日)
17:30 退勤  
主な経験症例とおよその経験数
平均担当患者数
  • 6人

経験症例
  • 食道胃静脈瘤破裂
  • 総胆管結石
  • 胃十二潰瘍
  • 胆嚢炎
  • 急性胆管炎
  • 肝膿瘍
  • 肝細胞癌
  • 肝炎
  • 急性膵炎
  • 肝硬変
  • 大腸憩室出血
  • 炎症性腸疾患