腎臓病センター

腎臓病センター
腎臓病センター

Kidney disease Center
全ての患者さんに
適切な腎疾患診療を提供しています。

診療内容・専門分野

センターの特徴

尿検査の軽微な異常から、長期の透析療法に関わる合併症まで、腎臓病は多くの専門科・医療職との連携が必要です。しかし、患者さんが個別にアプローチするのは大変困難です。
 
当センターの目的は、腎臓病の状況に応じてセンターに所属する複数の診療科および医療専門職が協力・連携して最適な医療を不足なく提供し、当院を最大限活用して頂くことです。さらに、当センターは腎臓病に関わる専門職の教育や研究にも積極的に取り組んでいます。医療者の育成や医学研究には患者さんの協力が必要です。明日を担う人材の育成と医療の発展に、ご協力をよろしくお願いいたします。
 
  1. 外来診療(初診・再診)
    原則として、かかりつけの先生からの紹介状をお持ちください。センターとしての外来窓口はありませんので、一番お困りの症状や病気について、最適と思われる診療科(腎臓内科、泌尿器科、血管外科)を受診してください。その後は適切に当センター内で連携いたしますので、ご安心ください。再診を含む継続的な診療の際は、必要に応じてセンター内の複数診療科の受診をお勧めする場合があります。
     
  2. 透析・血液浄化ユニット
    2.-i. 維持透析施設としての機能の他、2.-ii. 移行期の支援機能、2.-iii. 入院患者さんに必要な腎代替療法・アフェレーシスを提供する機能を備えています。

    2.-i. 維持透析施設としての機能:当院のユニークな点は、大学病院としては稀なほど、多くの外来維持血液透析を行っている点です。地域の透析センターとして、近隣にお住まいの患者さんに御利用頂いています。さらに、腹膜透析や、腹膜透析と血液透析の併用療法、在宅血液透析の継続を担当しています。

    2.-ii. 移行期の支援機能:透析療法は食事療法を含めた自己管理が非常に大切ですが、透析を始める前と後では、生活上の注意点や食事療法の内容も異なります。多科・多職種連携が容易で、緊急の入院対応が可能な当センターの特徴を活用して、スムースで安全な維持透析のスタートを支援します。十分な自信をつけて頂いてから、お近くの透析室へ転院されてください。

    2.-iii. 入院患者さんに必要な腎代替療法・アフェレーシスを提供する機能:当院に入院中の患者さんに必要なあらゆる種類の腎代替療法・アフェレーシスを御提供いたします。
     
  3. 入院診療
    当センター内各科の入院診療に加えて、当院に入院中の全ての患者さんに適切な腎疾患診療を提供しています。入院中に急に腎臓病が生じる場合も稀ではありません。24時間体制で院内各科からの腎疾患に関わる御相談に対応しています。

RRT図

※腎不全 治療選択とその実際(2023年版)より許可を得て転載

主な疾患

外来初診の例

  • 尿に蛋白がでる・腎臓の働きが悪い(受診科の例:腎臓内科)
  • 尿に血液がでる・尿路結石といわれた(受診科の例:泌尿器科)
  • 透析を始める必要があるといわれた(受診科の例:腎臓内科)
  • 透析用の血管にトラブルがある(受診科の例:腎臓内科、血管外科)

主な治療方法

治療法の例

  1. 慢性糸球体腎炎:腎臓内科、泌尿器科で連携して腎生検をおこないます。その後、管理栄養士や薬剤師と連携して、食事療法や薬物療法(ステロイドの使用を含む)で、病気の活動性をコントロールします。外来通院は腎臓内科が担当します。

  2. 腎代替療法の選択:腎臓の働きが今後も低下する見通しの場合、将来に備えて、腎臓の替わりに血液を綺麗にする治療法について知る必要があります。当センターでは療法選択外来(毎週土曜日)で医師と看護師から専門的な情報提供をおこなっています。腎臓の替わりをする治療には、①血液透析、②腹膜透析、③移植があります。

    2.-i. 血液透析の開始:腎臓内科と血管外科で連携して、血液透析に使用する血液の出し入れルート(動静脈シャント)を作成します。通常は1-2泊の入院で手術をおこないます。その後は腎臓内科とかかりつけの医師に通院しながら、腎臓が悪くならない様に最大限の治療を続けます。外来では、看護師、管理栄養士、薬剤師が治療に関わる情報を提供します。血液透析を始める際には、約1週間の入院をします。退院後の透析は、ご自宅や職場の近くの透析施設で続けます。必要に応じてブラッドアクセス外来(腎臓内科・血管外科)への定期通院を御願いしています。

    2.-ii. 腹膜透析の開始:腎臓内科と泌尿器科で連携して入院・手術をおこない、透析用のカテーテルを腹部に挿入します。入院中は、看護師、管理栄養士、薬剤師から今後の治療に関わる情報を提供します。腹膜透析を始める際には、1-2週間の入院をします。退院後は2-4週毎に腎臓内科に通院が必要です。常に専門の看護師、管理栄養士、薬剤師が治療に寄り添います。

  3. 透析用シャントトラブル:腎臓内科・血管外科で連携して最適な治療法を提案します。入院の上、手術やカテーテル治療をおこないます。入院中の透析は透析・血液浄化ユニットが担当します。臨床工学技士、看護師、管理栄養士、薬剤師から透析に関するアドバイスをさせて頂きます。ご自身の血管を使った治療が難しい場合には長期留置用カテーテルを利用する場合があります。
 
入院期間やお身体の状況に応じて、入院中から必要なリハビリテーションをおこないます。
腎疾患の種類や状況に応じて、必要な書類手続き等は、医務部がお手伝いします。
*当センターに関わる病気は多岐に及ぶため、各診療科もご参照ください。

関連診療科

当センターの構成職種および部門
血液浄化部/透析・血液浄化ユニット、臨床工学部、栄養部、薬剤部、医務部
医師、看護師、臨床工学技士、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、医療事務

診療実績

2022年度(2022年1月から12月まで)

人工腎臓(延べ件数) 21,970件
持続緩徐式血液濾過 700件
内シャント造設術 202件
経皮的シャント拡張術 261件
腹膜灌流用カテーテル留置術 18件
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