リプロダクションセンター

リプロダクションセンター
リプロダクションセンター
Reproduction Center
大学病院であることを生かした専門的な診療と
他科との綿密な連携が特色です。
(産婦人科外来)電話受付時間 15:00~17:00

診療内容・専門分野

センターの特徴

日本における生殖医療の状況

現在こどもを持ちたいと考えるカップルの約6組に1組が不妊であると言われています。最近は婚姻年齢が上昇していることから、さらにこの割合は上昇してくるものと思われます。1978年に世界で初めて体外受精(IVF-ET)による妊娠・出産が報告されて以来、生殖補助医療(ART)は発展普及し、現在では難治性不妊治療の中心的な役割を果たしています。我が国でも1983年に東北大学からIVF-ETによる出産例が報告され、2017年には日本で誕生した子供の約16人に1人がARTで出生しております。これまで自費診療であった人工受精などの一般不妊治療やIVF-ETを含めたARTが2022年4月からは保険適応となっております。

リプロダクションセンター設立の趣旨

以前は挙児希望のあるカップルの皆様の診療は南館4階の産婦人科外来のブースを使い、不妊外来として週2回診療を行なってきました。それまでも私達も心理的な外傷、長期的に悩まれている挙児希望のあるカップルに対して様々な配慮をしたいと考えておりました。そこで産婦人科外来から分離・独立し、東館2階においてリプロダクションセンターを開設し、日曜祭日を除いた毎日、診療を行っております。当リプロダクションセンター では、日本生殖医学会生殖専門医4名が中心に診療にあたり、さらに月1回(原則第4火曜日午前中、予約制)男性不妊に関する診療を行なっております。また、毎週火、木曜日の午後(予約制)に子宮鏡外来として子宮内膜ポリープ、子宮内膜炎などの評価と治療も行となっております。

リプロダクションセンター では一般の不妊治療からARTなどの高度医療、さらには子宮鏡手術や腹腔鏡手術などの外科的な治療に至るまで幅広く対応し、患者カップルのさまざまなニーズに沿った治療を行なっております。

当リプロダクションセンターの特色

大学病院であることを生かした専門的な診療と、他科との綿密な連携が特色です。
  1. 同一施設内で産婦人科(生殖医療)・泌尿器科の専門医による新しい医療を受けることができます。
  2. 不妊治療の際に例えば子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、卵巣嚢胞に対する手術が必要になる時はできる限り速やかに対応します。
  3. 患者カップルの背景や希望等を徹底的に相談し、それぞれのカップルに適したテーラーメード医療を行って行きます。
  4. 他科(ゲノム診療科、母性内科、歯科・口腔外科、東洋医学科)との緊密な連携により、合併症を持った方も安心して不妊治療、妊娠管理、出産を行っております。
  5. 妊娠年齢、出産年齢の上昇や生殖医療の多様化によるハイリスク妊娠の増加に対して、当院では出生前診断も含め、女性が安心して妊娠・出産できる高度な成育医療を実践しております。
  6. 当院には不妊症看護認定看護師が常勤しておりますので不妊の治療方針等、医師の説明だけではなく、詳しい話を聞きたい方に対して不妊カウンセリング(予約制)を行っております。

主な疾患

不妊症

主な治療方法

まず不妊原因を特定するためにスクリーニング検査を施行します。そして特定された原因に応じて治療を行います。たとえば排卵に問題があれば排卵誘発を行いながら、タイミング法や人工授精を行います。タイミング法とは、排卵の1〜2日前のもっとも妊娠しやすいと言われている時期に性交を持つようにする方法です。人工授精とは、採取した精液から良好な精子を取り出してもっとも妊娠しやすい時期に子宮内に注入する方法です。

卵管狭窄・閉塞であれば、卵管癒着剥離術や卵管形成術を行い卵管を開通させるか、体外受精を行います。子宮内膜症であれば、腹腔鏡下手術を行ってからタイミング法・人工授精・体外受精を行うか、年齢によってはすぐに体外受精を行います。

乏精子症であれば、男性側の治療を行いつつ、人工授精や体外受精(または顕微授精)を行います。無精子症であれば、精管閉塞の場合は精路再建手術を行うか、または精巣精子採取術+顕微授精などを行います。勃起障害・射精障害であれば、治療薬を用いたり、人工授精を行ったりします。原因が分からない場合は、一般的にタイミング法→人工授精→生殖補助医療(体外受精、顕微授精)というように、治療法をステップアップさせていきます。

生殖補助医療(体外受精、顕微授精)とは、内服薬や注射で卵巣刺激を行い卵胞が十分育ったところで、腟の方から細い針を穿刺して卵巣から卵子を取り出し体外で精子と受精させ、子宮内に受精卵(胚)を戻す方法です。通常の体外受精で受精しない場合、あるいは精子数が極端に少ない場合は、細い針で精子を卵子の中に注入する方法(顕微授精)を行います。1回の体外受精で得られた受精卵は原則的にすべて凍結し、翌月以降1つずつ子宮に戻します(融解胚移植)。

関連診療科

診療実績

2024年

初診患者数 83人
男性不妊初診患者数 17人
人工授精 92件
採卵 78件
胚移植 123件

2023年

初診患者数 60人
男性不妊初診患者数 15人
人工授精 140件
採卵 106件
胚移植 122件

2022年

初診患者数 86人 
男性不妊初診患者数 18人
人工授精  132件
採卵 99件
胚移植 106件 
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