研究概要

1. 目的
 本研究ではリツキシマブ以外の免疫抑制・化学療法をうけるHBV既往感染・キャリア例を対象に再活性化の実態を prospective 調査で解明することを目指す。
 血液,腎臓,リウマチ・膠原病,腫瘍内科などの診療分野で免役抑制薬,抗悪性腫瘍薬を頻用する研究協力者を組織し,キャリア例および既往感染例を登録する。既往感染例ではHBV-DNAを1ヶ月ごとに高感度TaqMan-PCR法で測定し,再活性化の頻度と治療法との関連を解析する。
 また,再活性化した既往感染例およびキャリア例はエンテカビルで治療し,その有効性を確認する。以上によって,ガイドラインの有用性を検証するとともに,再活性化例ではウイルス遺伝子の塩基配列を解析し,再活性化に関わるウイルス側要因も解明する。

2. 対象
 血液,腎臓,リウマチ・膠原病,腫瘍内科の4領域で,新規に免疫抑制・化学療法を実施する患者のうち,HBVのキャリア例(HBs抗原陽性例)及び既往感染例(HBs抗原陰性例のうちHBc抗体ないしHBs抗体が陽性,ただしHBVワクチン接種によるHBs抗体単独陽性例は除く)。
 なお,免疫抑制・化学療法に関しては,未治療例を原則とするが,再発例も当該治療が初回の場合は対象とする。

3. 登録
 研究協力者の全施設で倫理委員会の承認を得た上で,平成21年度から順次症例の登録を開始した。症例の登録は平成22年度も継続し,平成22年度および平成23年度は追跡期間とする。
 研究協力者は対象例に文書を用いて説明し,同人から同意を得た後に事務局に登録する。登録に際しては匿名化した情報を所定の用紙に記入し,事務局にFax送信する。

シクロー

 研究計画書.pdf 385kb

 ガイドライン.pdf 110kb