患者の皆様へ

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患者様へ

血液内科の活動の基本である診療、研究、教育の3本柱をバランスよく行うことで、良質な医療を提供するよう心がけております。それらについて簡単に紹介させていただきます。

診療

 血液内科は、9階西病棟に病棟全体がクラス10,000(空気の清浄度キレイさを示す指標)の無菌度に保たれた26床(個室6床の無菌度はクラス1,000)の無菌病棟を中心に、30床の入院ベッドを有し、急性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器腫瘍はもちろん、貧血や血小板減少など、すべての血液疾患の診療に対応いたしております。日本骨髄バンクの移植認定施設であり、血縁者間移植、非血縁者間移植、臍帯血移植も無菌病棟を用いて行っております。症例数も多く、埼玉県における有数の施設であり、新規治療薬や治療法に関する臨床試験や製薬企業からの依頼による治験も積極的に行っております。血液疾患は教科書的な典型的な症例ばかりではなく、再発されて治療が難しい場合や自己免疫性疾患やウイルス性疾患との鑑別が困難である場合もあり、幅広い知識や治療手段を駆使して柔軟に対応することが大切です。また、急性白血病のように緊急性の高い疾患に対しては、スピード感を持った対応が望まれます。私どもは、どのような場面にも対応できる質の高い医療の提供を目指しております。
 診療に対する基本方針として、世界的に実績のある科学的根拠(Evidence Based Medicine: EBM)に基づいた治療法を選択いたしますが、診療方針を十分にご説明させていただき、患者さんにご納得いただき、安心して受けていただける医療を優先しております。近年では様々な新しい薬剤が開発され実際に応用されるようになり、血液疾患に対する標準治療に組み込まれるようになりました。当科では保険承認された新規治療薬や免疫療法を積極的に用いております。
 また、我々が主導して行っている臨床試験や、JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)JALSG(日本成人白血病治療共同研究グループ)での多施設共同試験を推進することで、我が国のみならず世界の血液疾患の治療成績向上に貢献しております。同様に、全国規模での血液疾患の対する保険未承認の新規治療薬に対する臨床試験(治験)の実施施設に選定されることも多く、数多くの新規薬剤の臨床試験を行っております。このように、通常の標準治療から臨床試験まで幅広い治療選択のなか、満足度の高い医療を提供できるよう、心がけております。
 そして、入院治療のみならず外来治療にも力を入れております。外来通院可能な患者様で輸血あるいは抗がん剤による化学療法が必要な場合は、整備された外来化学療法室を活用して、生活の質(Quality of Life)を優先した外来治療を積極的に選択しております。当院内における他科との連携も行なっており、当院には全国でも有数の総合周産期母子医療センターが併設されており、妊娠に伴う血液異常症の診断、治療はこれまで数多くの症例を経験しております。また造血器腫瘍の中で最も多い悪性リンパ腫の診断に関しては当院病理部の田丸淳一教授が全国でも著明な専門家の一人でもあり、病理部とのカンファレンスを定期的に行い、双方の情報共有により正確な診断を目指しております。
 骨髄像の形態検査については、血液形態学の専門家である慶應義塾大学病院中央臨床検査部三ツ橋雄之先生を客員講師として招き、骨髄検査標本について鏡見いただき、診断精度の向上に努めています。
 このように、私ども埼玉医科大学総合医療センター血液内科では、診断から最終的な治療まで、あらゆる血液疾患に対する総合的な治療を心がけております。

研究

基礎研究および臨床研究の双方に力を注いでおります。詳細は当ホームページ内の研究に関するページをご参照下さい。

教育

 大学病院において人材育成は、極めて重要な役割を担っております。当科では多彩な疾患を対象とし豊富な症例数を有していることから、オールラウンドな臨床の実力を身につける機会に恵まれており、全身を診ることのできる医師を育成するために最適な環境が整っています。卒前教育に関しては、4年生の病棟実習(クリニカルクラークシップ:CC Step1)および5年生、6年生のCC Step2 およびStep3を担当いたしております。CC Step1においては、2週間単位で3-4名の少人数の学生に対して、病棟および外来実習、さらには講義(クルズス)を通して基本的な血液疾患について教育しています。CC Step2およびStep3での高学年の学生に対しては指導医の指導のもと、血液内科学を含めた内科学全般の基本的知識や手技、接遇、インフォームドコンセントのあり方などを学びます。実際に主治医とともに行動することで一人の患者さんにより深く向かい合うことで、血液疾患の自主的な学習を促すような教育を実践し、病棟回診でのプレゼンや時には学会報告などを通して能動的な学習を促しています。血液内科では臨床カンファレンスを週2回行い、水曜日には全ての入院患者カンファレンスを含む教授回診を行います。金曜日には新入院患者を中心にカルテカンファレンスを行って、スタッフ間での情報共有を行うとともに、学生、研修医に対しても学ぶ機会を提供しております。また血液内科医による標本診断学は非常に重要であり、病理部と合同でリンパ節標本および骨髄標本のスライドカンファレンスを定期的に行い、症例検討を行っています。また最新の臨床的知識を身につけられるよう、毎週月曜日には、血液内科連絡会にて最新の英文論文の抄読会を行っております。学会発表は医学的論理を構築する絶好の機会であることから、血液内科では研修医を含めて国内もしくは海外での発表を行うよう積極的に指導するとともに、発表演題は論文にまとめるよう心がけております。

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