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血液内科紹介

埼玉医科大学総合医療センター血液内科ご紹介

 昭和60年(1985年)埼玉医科大学総合医療センター開院時より、血液内科はリウマチ膠原病内科とともに第二内科として運営されておりました。平成17年(2005年)には病院機構の改正により臓器別内科として血液内科とリウマチ膠原病内科は互いに独立し、平成19年(2007年)7月には慶應義塾大学病院より木崎昌弘が教授として赴任し現体制を築きました。以来、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器腫瘍の診療を中心に、県内はもとよりわが国でもトップクラスの施設として発展してまいりました。造血器腫瘍における分子病態の解明が進むにつれて、近年、血液診療は目覚ましく進歩しています。最新の診断技術とともに、治療には抗がん剤による化学療法や造血幹細胞移植のみならず分子標的療法や免疫療法など高度な医療が要求されます。血液内科では、当院の基本理念でもある「安全で質の高い医療」を実践すべく診療体制を整えており、造血器腫瘍を含むあらゆる血液疾患に対して、診断から治療まで最新の医療を提供することを基本方針としています。また、高度な医療を実践するために、他診療科や多職種の方々との連携によるチーム医療体制を構築してきました。2019年には、9階西病棟がクラス10,000の無菌度に保たれた無菌病棟(クラス1,000の個室6床を含む26床)に改築され、造血幹細胞移植や大量化学療法、そして新規治療薬による治験を実施するに相応しい環境も整いました。
 研究面では、これまで一貫して造血器腫瘍の分子病態に基づく新規治療法の開発をテーマに、臨床に還元すべく橋渡し研究 translational researchに力を入れてきました。白血病や多発性骨髄腫の病態解明と新規治療法開発に関する基礎的な研究や、悪性リンパ腫に対する臨床研究において、多くの成果を上げてきました。また、日常診療をベースにした臨床研究とともに、JALSG(日本成人白血病治療共同研究グループ)、JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)、W-JHS(西日本血液臨床研究グループ)、KSGCT(関東造血幹細胞移植共同研究グループ)の重要な施設として、白血病や悪性リンパ腫診療に対するわが国のstate-of-artsを構築すべく貢献しています。最近では、未承認薬に対する臨床試験(治験)を数多く受託するようになり、わが国でも数少ない早期臨床試験実施施設と認識されています。
 教育面では、卒前・卒後教育ともに「血液学」の面白さを学生や初期臨床研修医に伝えるために、情熱を持って後進を指導しています。周囲に血液内科を専門とする施設が少ないことより、当科は豊富な症例数を有し、中には教科書には記載のないような貴重な症例もたくさん経験することができ、まず全身を診ることが要求される血液内科医としての修練には最適に環境かと思います。学生教育を通して、考えることのできる優れた臨床医、研究医を育てたいと考えていますが、卒前教育では、医学部3年生の血液ユニット講義を担当しています。病棟実習に関しては、4年生のクリニカルクラークシップ(Clinical Clerkship: CC)Step1および5年生、6年生のCC Step2, Step3を担当しています。CC Step1では2週間ごとに3-4名の学生を受け持ち、血液学の基本的な知識や患者の診療を学習させています。高学年のCC Step2, Step3では、1ヶ月単位で2名の学生を診療チームの一員に加え、実際の診断から治療計画の立案など実践的な経験を積むことを第一としています。臨床カンファレンスや教授回診などにもチームの一員として参加し、実際に受け持ち患者の診療記録を電カルに記載したりプレゼンなどを行うことで、自発的に、そして能動的な血液学の学習ができるような環境を整えています。

 このように、血液内科では診療のみならず、研究、教育にも各人が精一杯力を注いでおりますが、そのためには以下のようなスローガンで教室は運営されております。

血液内科のモットー

診療、研究、教育に対して各自がVision, Passion, Missionを持って学ぶ。

血液内科の診療方針

 ① 治癒を目指した治療
 ② 優しい治療

血液内科の目指すもの

  1. 院内および埼玉医科大学の中にあり信頼される診療科であること。
  2. 地域への貢献ができる診療科であること。
  3. 国内においてpresenceを示せる診療科であること。
  4. 世界へ情報を発信できる診療科であること。

 埼玉医科大学総合医療センター血液内科は、「田んぼの中から世界を目指す」を目標に、県内のみならずわが国における血液診療の拠点となり、より良い血液診療を実践し社会に貢献していきたいと考えています。


2022年3月

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